うさにゃん日記

「比叡山と東海の至宝」展

昨日、塾のお迎えまで3時間ほど体があいた(仕事をさぼった、とも言う)ので、
名古屋市博物館で「比叡山と東海の至宝」展を見た。

いつも思うのだが・・・
仏像というのは、美術館や博物館で見ると単なる「オブジェ」になってしまうので寂しい。
オーラ半減、といったところだろうか。
純粋に造形物として見ると、よほどのものでないと、心に残らない。
また、照明は限りなく暗くなけれれば、これまた、オーラが減る。
それほどに、仏像というのは、寺のという場を離れると、生きてこないと思う。

今回心に残ったのは、ふたつ。
ひとつは、
尾張藩初代藩主徳川義直が名古屋東照宮へ奉納した太刀の、
拵(こしらえ)である。
さすがに藩主の奉納品、というので、もう、卒倒しそうにすばらしい細工である。
使ってある裂(きれ)といい、紐といい、象嵌の細工の細かさといい、刀の鞘の蒔絵といい・・・もうただただ、圧倒された。
この、職人の心と技術は今、絶えていくしかない。
刀は既に日用品ではないし、「命がけの仕事」(レトリックではなく)も存在しない。
神仏への深い敬愛も、もう、根絶やしになっていこうとしている今、技術の底にある志もない。
私は、太刀のすばらしさは、正直言ってよくわからない。
でも、この拵のすごさは、見ていてあきなかった。眼福、とはこのことである。

もうひとつは、
曾我蕭白(そがしょうはく)の絵画である。
杉戸に描かれた獏(ばく)の「獏図杉戸」(松坂市 朝田寺蔵)と、「唐獅子図」」(松坂市 朝田寺蔵)二幅。
両方とも、すごい迫力だった。
曾我蕭白(1730~1781)という画家の作品を見たのは初めてだが、渾身の力をこめてかかれたこの大きな作品に、圧倒された。

それから、これは美術品とは関係のないところでだが、
「加州応対諸事留」という写本が、非常におもしろかった。
荒子出身の加賀100万石の、前田家。荒子にある観音寺は、その歴史によって、加賀藩で富士権現と観音寺の守り札を配って(早い話が売って)、その初穂料で堂社を修復したいと願い出た。『加州応対諸事留』は、前田家との関係を証明する過去帳や位牌を証拠にあげて、加賀まで使いを出して許可を願ったが、許可は得られず、旅費宿泊料として白銀を下されて帰国・・・という経緯が書かれている写本らしいのだが、
注目すべきは、写真のない頃のことだから、どうやって封筒の表書きを書いたか、とかその封の結び方とか、すごくこと細かに書いた図があって、いってみればアンチョコとして大切に記録されていたのがよくわかることである。
いや、身につまされる、というか・・・。
うちも、奉書紙をどうやっており畳んで、どうひもをかけ結んで、どう表書きして・・・とアンチョコ(寺院関係のものがあります)片手に作りますからねぇ。
ちなみに、「お車代」にあたるのは、「車駕(しゃが)料」。
車駕(しゃが)? フン、何が「高貴な人の乗り物」じゃ、と思ってはダメ。
有職故実って、こういうもんです。赤穂の殿様が有職故実指南役の吉良さんのイビリに耐えかねて・・・というのも、有職故実って、要するに知っているか、知らないか、それだけのことで、経験値の問題なんですね。知らなければアウト。
ということで、この手の記録類がどれほどたいせつに扱われたか身に沁みてよくわかるので、非常におもしろく、できれば手にとって読んでみたい写本だった。

むしろ仏像以外のものに魅かれた今回の展覧会だったが、秘仏も多く展示されていて、ものすごく興味深く、楽しかった。
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by kishibojinn | 2006-11-12 19:53 | その他
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